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ごみ収集車を電気自動車(EV)化して、普及させられないのでしょうか。
Q.地球温暖化対策として二酸化炭素の排出を抑える必要があるということですが、ごみ収集車を電気自動車(EV)化して、普及させられないのでしょうか。いつまで経っても新しい機種が導入されないのはなぜですか?
回答:地域環境保全領域 近藤美則シニア研究員(2025年10月21日)
A. 利用する車両をEVにすることで、大気汚染や騒音、気候変動の問題を小さくする効果があることはご指摘の通りです。
ただし、ごみ収集車をEV化するには、土台となるEVトラックにごみ収集機能を取り付ける必要があります。それにより、従来のごみ収集車よりも車重が重くなる上に、収集可能なごみの量が減るという問題が発生します。従来のごみ収集車に近い能力を求めると、その開発や生産には時間と高額な費用が掛かるために、まだ簡単に導入できる段階にはない、というのが現状です。そのため、ごみ収集車を含む公用車のEV化(※注1)は、業務に問題の生じない範囲での切り替えになるケースが多いようです。
今後は、メーカーと自治体等が協力して効果の高い車両開発を行うことや、採用されたEVごみ収集車に適した運用方法の試行などにより、あらゆる車両や用途へのEV導入に道筋をつけることが重要と考えます。最近の動きでは、さいたま市や川崎市での実証実験の事例が報告されています(※注2)
地域のごみ収集車のEV化には、市民の皆さんからの期待の声も重要だと思います。各地域での、脱炭素に向けた施策を推進していくためにも、引き続き、ご関心をお持ちいただければと思います。
※注1 環境省:地方公共団体実行計画(事務事業編)策定・実施マニュアル(本編)
https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/h_manual/j4_4_5-7.html
※注2 環境省:令和6年度デジタル技術の活用等による脱炭素型資源循環システム創生実証事業 委託業務報告書
https://www.env.go.jp/content/000305620.pdf



