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ペットボトルが「再使用」されない理由は何ですか?


Q.ペットボトルは回収され「再利用」されていますが、なぜ回収後に洗浄して使う「再使用」ボトルができないのでしょうか。瓶製品はできて、ペットボトルができないはずがないと思うのですが、再使用されない理由は何ですか?


回答:資源循環領域 寺園上級主席研究員(2021年8月27日)

A. ペットボトルのリユース(再使用)については、2008~2009年くらいにかけて環境省で検討され、実証実験(※注)も行われました。

広く一般に流通させるシステム(オープンシステム)では高い回収率が見込めないことから、特定の流通ブランドや生協のような閉じたシステム(クローズドシステム)であれば可能性があるという考えもあったと思います。また、容器の統一規格も考える必要もありました。

結果としては、一定の輸送範囲内であれば環境負荷も小さく、導入が望ましいということにはなりましたが、「専用の洗浄設備や、十分な品質管理体制の構築、誤用を防ぐための措置が不可欠」とも指摘されました。

流通関係者は、タバコや農薬など、使用後に何が入ったかわからないものを洗浄して検査することに非常に神経を使います。ガラスびんでも同じ問題が懸念されますが、ペットボトルだとガラスびん以上に、何に使われるかわからないという見解です。

また、ペットボトルを再使用する場合、一定の傷がつく可能性があるため、消費者がそれに慣れて選択し、購入、返却を行うことも必要です。

このほかにも、回収を促すにはデポジットなどが望ましいですが、店舗での返金方法、保管場所の問題など、日本では対応が非常に難しくなっています。

以上のように、再使用は回収・洗浄・検査・再充填を行って、多少のリスクやコストがかかっても責任を持って流通させる人たちや、それに応える消費者がいなければなりません。

環境省の検討から10年以上経過しましたが、日本ではペットボトルの再使用は非常に難しく、マイボトルやリサイクルなどの方が進んでいるのが現状になっています。

※注
・環境省「ペットボトルリユース実証実験結果の取りまとめ」はこちら(外部リンク)
・実験結果の取りまとめ資料はこちら(外部リンク/PDF ※まとめはP.9以降)

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