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欧州のサーキュラーエコノミーについて教えてください。
Q.欧州のサーキュラーエコノミーについて教えてください。
資源効率を高めることで、私たちの暮らしへの直接なインセンティブはあるのでしょうか?
回答:循環型社会システム研究室 田崎室長(2018年1月23日)
A. エネルギーに比べると、資源の消費削減のインセンティブが低いのはご指摘の通りです。
日本の一部の企業からも、資源への取り組みが進まない理由として、同じような理由が挙げられているようです。
ただ、欧州の「サーキュラーエコノミー」においては、ごみのリサイクルを無理に進めて、リサイクル品をなんとか使ってもらうというのではなく、いかに経済的価値のあるリサイクル素材・リサイクル品を創り出すかという発想がポイントになります。
天然資源よりも、循環資源を使うことに経済性がでるような状況を目指すため、そこに到達してしまえば、インセンティブの議論が不要になるとも言えます。
またサーキュラーエコノミーでは、経済性だけでなく、リサイクル素材は品質が悪い(粗悪品)といった認識を払拭できるように、品質基準を作るといった取り組みもされています。雇用効果や経済性を強調しすぎるため、本当にそこまで実現できるのかについての議論はありますが、日本のこれまでの方向性とは違う側面が入っているので、今後の動向や日本への影響は注目どころになりそうです。
日本ではサーキュラーエコノミーを「循環経済」と訳すことが多いので、関連事項を調べる際には検索語として、この用語も使用されてみるとよいと思います。