2019年度夏の大公開
フューチャー・アースが『絵本の読み聞かせ』を開催しました
はじめに
2019年7月20日(土)、蒸し暑さが際立つ天候の中で開催された、国立環境研究所の一般公開イベント「夏の大公開」。
過去最多の6000人以上の来場者で賑わう当イベントに、今年もフューチャー・アース日本ハブがブースを設置し参加しました。
フューチャー・アース(Future Earth)(※注1)とは、持続可能な地球社会の実現をめざす国際協働研究プラットフォームです。
「持続可能で公平な地球社会に向けて人間社会が方向転換するためには、研究者だけでなく社会の知との連携が必要である」との考えから、研究コミュニティーと社会の様々な関係者(行政・政策立案者、産業界、教育、メディア、市民団体など)とが協働して、社会に繋がる研究を推進しています。
当研究所は、フューチャー・アースの日本ハブを支援しているほか、「フューチャー・アース日本委員会」に参加し、国内外のフューチャー・アース研究に貢献しています。
今年の「夏の大公開」では、フューチャー・アースの活動を紹介するビデオやチラシのほか、取り組みの一つである「眠っている巨人～地球科学と金融の対話～」の内容に沿って作られたオリジナル絵本「眠っている巨人と地球の話」を展示し、訪れた子どもたちに読み聞かせをしました。
当日の様子。絵本の読み聞かせを行いました。
この絵本は、地球の安定にとって特に重要な生態系(「眠っている巨人」)について紹介しています。
最近、大規模な森林火災について世界中でニュースになっているアマゾン熱帯雨林を重要な生態系とし、このままではアマゾンが取返しのつかない転換点を迎えてしまうことを警告しています。
ここからは、絵本を交えてストーリーを紹介します。
※注1 フューチャー・アース(Future Earth)についてはこちら(外部リンク)
『眠っている巨人と地球の話』
冒頭では、今まで1万年間安定していた気候が、人間の活動(森林伐採と二酸化炭素の排出)により脅かされていることについて触れています。
次に、「眠っている巨人」の一つの例として、アマゾン熱帯雨林を紹介しています。
アマゾンの巨人は、現在まだ眠っており、多くの二酸化炭素(CO2)を吸収するなど地球環境を安定させています。
しかし、森林伐採と温暖化が進めば急に環境が転換し、即ち「眠っている巨人」が起きてしまい、森林が草原に変わり、その過程で多くのCO2を排出する可能性があります。
絵本では、温暖化を止めるために必要な再生可能エネルギーの利用やCO2排出量の削減などについても触れた後、このような結果を招かないために私たち自身が出来ることを、子どもたちにも考えてもらえるような質問を加えました。
最後に、『こうした変化を起こすには、私たちのこれまでのくらし、そして社会全体を大きく変える必要があります。世界の大きな変化を続けていくことで、「眠っている巨人」たちを起こさないようにしましょう』と締めくくっています。
絵本の全体をご覧になりたい方は、記事の末尾にてダウンロードいただけます。どうぞご活用ください。
そのほかにも、ブースでは『気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ』、そして『Anthropocene』(人新世)という雑誌の見本や翻訳サンプルを配布しました。
気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ
『Anthropocene』は、科学やイノベーションが持続可能な社会に向けてどのように貢献できるかを掘り下げている、フューチャー・アースが発行している雑誌です。こちらの翻訳サンプルも下記でダウンロードいただけます。
当日はたくさんの方がブースに足を運んでくださいました。ご来場頂いた皆様、「夏の大公開」にお越し頂き誠にありがとうございました。(終)
ダウンロードはこちら
絵本『眠っている巨人と地球の話』(PDF)
『Anthropocene』翻訳サンプル(PDF)
[掲載日：2019年10月4日]
取材、構成、文・橋本友希(対話オフィス)
参考関連リンク
●東京大学未来ビジョン研究センター「フューチャー・アース」(外部リンク)
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/units/futureearth/
●絵本「眠っている巨人と地球の話」(PDF)
https://taiwa.nies.go.jp/activity/img/summerevent2019_fe/FutureEarth_SGbook.pdf
●フューチャー・アース「Anthropocene」(外部リンク／PDF)
https://taiwa.nies.go.jp/activity/img/summerevent2019_fe/FutureEarth_Anthropocene.pdf
